UECS Piに接続できるセンサー入門②

 前回は、少し横道にそれました。今回は、温度・湿度センサーと水温センサーについて書きます。どちらもネットでたくさん記事が出ていますが、UECS Piユーザー向けとしてご紹介します。Raspberry Pi、Arduino入門の方もご一読ください。



温湿度センサーSHT-31、SHT-21

SHT-31の方が16ビットで解像度が高く、クロック周波数が1MHzで高速ですが、どちらを選んでも実用的にはあまり差はないと思います。ですが、SHT-31の方が販売数が多く、価格も安いのでSHT-21をわざわざ購入する理由はないでしょう。(SHT-21はメーカーのサイトに「新しいデザインにはお勧めしません」と書いているのでもう製造しなくなるのでしょう)
I2CでSCL,SDAのピン、電源、GNDと接続しますが、I2CアドレスがSHT-21が0x40固定、SHT-31が2つの選択式です。SHT-31のチップの2番ADDR端子をGNDに接続すると0X44、VDD(電源)に接続すると0X45というように切り替え出来ます。冒頭写真のようにモジュールに組み込まれている場合はADDRがどちらに接続されているか、あるいは切り替えピンやジャンパーがあるか、モジュールの仕様を確認しなければなりません。秋月電子通商のものはADDRがモジュールのピンに配線されていますので切り替えが容易です。
また、SHT-31は電源が3.3Vでも5VでもOKですが、SHT-21は3.3Vにつながないといけません。

SHT-21、SHT-31のモジュールは、ネットで各種販売されていますので、安い物を選べます。(チップは同じものなので性能は変わらないはず) しかし、中国製のものは在庫がなくなればすぐ販売中止になります。しかもモジュールのピンの順番が違っていて困ることがあります。なので私は代表的なピン配置のものを載せられる基盤を作りました。これでモジュール選びの自由度が高くなるはずです。(笑)
SHT-31とELT S-300が載せられる自作プリント基盤

温度センサーDS18B20

水や培地の温度をはかる場合には冒頭写真のように防水加工されたDS18B20がネットで販売されているので、これが便利です。1-Wireのピンに接続します。アドレスはチップに固有のものとなっていますので、実際にRaspberry Piに接続して、センサーのアドレスを検索して設定することになります。もし複数接続する場合は一つずつ接続してアドレスを確認しないとアドレスとセンサーの対応がわからなくなります。また、故障してセンサーを交換する場合はアドレスの設定しなおしになります。
UECS Pi Basic User Manualより

さて、ここでUECS Piユーザーには注意が必要です。上の図のUECS Piユーザーマニュアルの配線では、黄色の信号線を2.2KΩの抵抗でプルアップ(電源側に接続)するように書かれていますが、実際これで配線するとDS18B20が発熱して測定できませんでした。(危ない)


DS18B20のデータシートを見ると4.7KΩの抵抗でプルアップするように書かれています。ここはデータシートに従って接続します。(やはり、データシートは読まないといけませんね)
実際にはこのプルアップ抵抗器とセンサーからの電線を配線しないといけないので下記のような自作基盤を作成しました。赤枠にプルアップ抵抗とコネクタを実装しています。

Raspberry Piにスタッキングする自作基板

次回はCO2センサーについて書く予定です。

*「UECS Pi」はアルスプラウト株式会社が提供する汎用DIY環境制御ソフトウェアです。https://www.arsprout.co.jp/products/others/uecs-pi/

*「UECS」は農業用のセンサー機器や制御機器用の通信・動作の共通仕様です。UECS研究会が公開しています。https://www.uecs.jp/outline/outline-index

関連リンク:EzITコンサルティング www.ezitc.dev

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