Raspberry Piの値段がまともになってきた!
長らくRaspberry Piの価格高騰が続いています。自動車用の半導体供給は安定に向かっている新聞記事は目にするのですが、5千円+αで購入できていた3Bが17千円とか。ターゲット価格が$14のPi Zero WHが9千円以上とか。格安でシステム構築を目指している筆者には厳しい限りです。いつRaspberry Piの手持ちがつきるか心配でなりません。
しかし最近少し希望が出てきました。
(上左)Raspberry Pi 4B (上右)同3B (下左)同3A+ (下中)同Zero2 (下右)同Zero WH
Raspberry Pi 4Bが12000円
2GBモデルですが、アマゾンで12000円を切る価格で販売されているのを見つけました。4Bは持っていなかったのでさっそく購入しました。ターゲット価格($35)を考えるとまだ高いですが、一時期2万円以上していたのでかなり値段が下がっています。秋月電子通商でも11000円で販売してますので、流通量も増えているのでしょう。(秋月は11000円以上は送料無料なので、こっちのほうが安かった)
しかし、Raspberry Pi 3Bはアマゾンでは相変わらず17000円以上になります。(Yahooショッピングで11550円のものを見つけたが、注文していないので在庫があるかどうか不明) ヤフオクやメルカリでは未使用品は数が少なくなっていて、中古品でも8500円ぐらいします。4Bと3Bで価格の逆転現象が起きています。もしかしたらRaspberry Pi 3Bはもう製造されなくなるのでしょうか。今後は4Bを中心に検討したほうがいいのかもしれません。
AliExpressでは、Raspberry Pi Zeroの価格が下がってきています。Zero Wでは4600円ぐらいに下がってきています。(40%引きと書いているが、もとの価格が高いんじゃないか) 日本にも波及しないかなあと期待してるところです。
Raspberry Pi 3A+の可能性
有線LANポートやUSBをあまり使用しないのであればPi3A+も選択肢になります。(実はあまり注目してなかったので、最近スペックを調べて使えそうだと気が付いた) 現在のところ最安値はKSYショップの4620円(税込)。アマゾンで4900円、秋月でも5800円(いずれも税込)で、複数販売されているということは、供給も安定しているのではないでしょうか。
表にあるように3A+はCPUは3Bよりも速く、3B+と同等になります。ただし、メモリーが512MB、有線LANがなく、USBポートが1つというものです。価格高騰前の3Bが新品で5500円ぐらいだったので、妥当な価格になったという印象です。今のところZero Wを買うくらいなら、少し大きいが、3A+を買ったほうがお得ですね。
無線LANを使うようにカストマイズすればUECS Piでも使えます。さっそくKSYショップから購入し稼働確認しましたが、問題なく使えます。どうしても有線LANを使用したいのであれば、USB経由でLANアダプターを接続すれば使えます。1500円ぐらいのコストアップになりますが、それでも今3Bを購入するより安いです。(ただし、3A+も無線LANもUECS Piでは正式サポートされませんので自己責任となります)
KSYショップ https://raspberry-pi.ksyic.com/
UECS Piの後継、Arsprout Pi
ご存じの通りアルスプラウト株式会社は、UECS Piの最終バージョンをver.20220829としていて、それ以降更新はありません。後継はArsprout Piになりますが、以前はマニュアルがあまり充実していなくて、どこまでUECS Piと機能的に互換なのかわからなかったので稼働確認していませんでした。最近はマニュアルも改善されてきたのでこれを機に稼働確認してみました。
Arsprout Piは、Raspberry Pi 4Bと3B、3B+が正式サポートになります。早速アマゾンで4Bのメモリー2MBモデルを購入して(1GBモデルのほうが価格が高かった)、確認しました。前から持っていた3Bでも確認して両方とも問題なく確認できました。これで、4Bもカストマイズなしに使うことができます。
(以前の記事)Raspberry Pi 4でUECS Piを動かす
サポート外ですが、3A+とPi ZeroWH、Pi Zero 2Wでも確認しました。Arsprout PiのファームウエアのOSは64ビットモードで、Pi Zero WHは32ビットなので当然立ち上がりません。
3A+とPi Zero 2Wではファームウエアの起動はできますが、しばらくするとスローダウンやカーネルのトラップなどが起こってまともに使えません。いろいろ調べましたがメモリーの使用状況を確認すると写真のようになっていて、512MBのメモリーでは不足します。Arsprout Piの正式サポートモデルは1GB以上のメモリーになっているので、それが前提なのでしょう。
しかし、UECS PiとArsprout Piは通信でデータを共有できるので、3A+やZero WはUECS Piで動かし、4Bや3BはArsprout Piで動かすような使い分けてシステム全体で運用できるでしょう。今後はArsprout Piで最新のRaspberry Piが使う選択肢が増えました。
<独り言>
Raspberry Pi zero2でArsprout Piが稼働しないのが非常に残念。ネックはメモリーが512MBしかないということだと思いますが、Pi Zero2はCPUに比べてメモリーがアンダースペックではないかと思います。実は中華製で互換性がありそうな製品があり、それは1GBのメモリーを積んだものが4千円台で売られていて、一度試してみたいと誘惑に駆られているところです。
2023/07/08追記 AliExpressでMango PiなるもののRaspberry Pi zero2レベルのメモリー1GBモデルを入手してArsprout Piが立ち上がるか試してみました。Debian liteも試してみましたがbootもできませんでした。(残念)
Allwinnerという中国の会社がARMからライセンスを受けて製造した64bitコア Cortex-A53互換のSOCです。もちろんDebianは稼働しますが、bootするためにはこれ用のSDカードイメージが必要でした。専用のSDカードではデスクトップが立ち上がり、インターネット検索とか、そこそこの遊びができるものです。しかし、boot区画もFAT32ではないし、Raspberry Pi用のDebianは使用できないようです。ほかにもRaspberry Piの類似品はありますが、とりあえずこの路線はあきらめました。Raspberry Pi Zero 2のメモリー拡張を期待します。
写真は、Arsprout Piファームウエアをメモリー512MBのRaspberry Pi 3A+で立ち上げた直後のもの。使用できるtotalメモリーは467MB。326MB使用(used)して、残り(free)が89MBと少ない。ファームウエアのWEB画面にログインしたりするとさらにfreeが減り、極端なスローダウン状態になる。
Arsprout Piは、新しいRaspberry Piに対応しただけでなく、ユーザーインターフェースが改善されていたり機能拡張もされているので次回は使用報告をしたいと思います。
価格情報は記事作成時点(2023年6月)の情報ですので、最新情報はご自身でご確認ください。
*「UECS Pi」、「Arsprout Pi」はアルスプラウト株式会社が提供する汎用DIY環境制御ソフトウェアです。https://www.arsprout.co.jp/products/others/uecs-pi/
https://www.arsprout.co.jp/products/arsprout-pi/
https://www.arsprout.co.jp/products/arsprout-pi/
*「UECS」は農業用のセンサー機器や制御機器用の通信・動作の共通仕様です。UECS研究会が公開しています。https://www.uecs.jp/outline/outline-index
関連リンク:EzITコンサルティング www.ezitc.dev
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